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2012年1月13日金曜日

[短編小説] ~とある晩餐会でのできごと~ [DQH]



「今日から、君は僧侶になるんだ」

そんな言葉と一緒に、聖職者の証を頭に載せられた。
それは生まれて初めてのプレゼントだった。

「私に、ですか?」

確認せずにはいられなかった。

「私、なんかに……」

野鼠のように道端で眠り、野良猫のように残飯を漁る。
そんな日々を過ごしてきた。

人のぬくもりなど、とうに諦めていたのに。

「私が、僧侶に……」

頭に載せられた帽子に指で触れて、何度も確認してしまう。



「申しわけありません、王、下賎な者が城に紛れ込んだようで……」

城門からひとりの兵士が駆けてきた。
どう見ても質素な鎧に、簡素な槍を手に持った兵士さん。

このお城の庭ではパーティーが開かれていた。
だから、きっと警備をしている人なんだと思う。

「すぐに城から連れ出しますので」

当然、お城のパーティーに紛れ込んだ私は腕を掴まれて、
そのまま……。

「よい」

王と呼ばれた老紳士が、ゆっくりと右手を上げたら、
すぐに兵士さんは私の腕を離してくれた。

そして、ゆっくりと私に顔を近づけて、私の目を見てくれた。

「あと数年もすれば、我がアリアハンの勇者さまが旅立つ」

「そのとき、君が勇者さまの手助けをするんだ」

「ゆうしゃ、さま……」



「まあ、こんな汚らしい子供が……」

「嫌だわ、王様ッたら……」

ざわざわと周囲から声が聞こえてくる。
とても聞きなれた驚きと、蔑みを込められた声が……。

「私のお願い、聞いてもらえるかね?」

それでも私の目を見て、もう一度、王様は言ってくれた。

生まれて初めて、私にプレゼントをくれて。
生まれて初めて、私の目を見て話をしてくれて。
生まれて初めて、私に頼みごとをしてくれた。

それらの意味することを全て理解することはできなかったけれど、
王様からのお願いを聞いてあげたくなった。

生まれて初めて私を人間として見てくれた人のために、役立ちたかった。

「はい、私でよかったら」



私の生きる意味を、今日、ようやく手に入れられた。




~ とある晩餐会でのできごと ~


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現在、販売中の『DQH』に出てくる僧侶にまつわるお話。

作中に入れようと思ってたけれど削除した部分。
このまま消すのも寂しいのでブログに掲載してみました。




 『DRA Q○E H(ドラクエッチ) ~ 僧侶さん危機一髪 ~』


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